誠の華-アサガオ-
小さな天女
*
「オギャーオギャーオギャー」
試衛館に鳴り響く産声。
「産まれたぞーーーーー!!女子だーーーーーーー!!!」
続いて勇の声が響く…。
そう、勇と妻であるつねの間に女の子が産まれたのだ。
「勇さん、勇さん!!会いに行ってもいい?!」
「もちろんだ雪。お前の姪っ子にご挨拶しなさい」
「っ!ありがとう!!」
バタバタバタと走り、つねと赤子がいる部屋の前で止まると大きく深呼吸した。
スッ
そしてーっと開けるとつねの乳を飲む小さな赤ちゃんがいた。
「あら、雪じゃない。こっちいらっしゃい」
そう言われ、近くに寄ると赤ちゃんの顔がはっきり見えた。
小さな手のひらに人差し指で触れるとギュッと握り返して来た。
「かわいい」
小さくてふわふわな手に触れただけで自然と口元が緩んだ。