誠の華-アサガオ-
突然ミツに聞かれ、雪はビクッと肩を揺らした。
「なんにも…ありませんよ」
顔に無理やり笑顔を貼り付けて言うと、それに反比例するかのようにミツは眉を釣り上げた。
「あなたも勇さん達に着いて行きたいのでしょう」
何も言ってないのに核心を突かれ、背中を汗が伝う。
「雪、なぜあなたはいつも大事な時に自分の意見を殺してしまうのよ」
眉尻を下げ、悲しそうに綺麗な顔を歪めるミツの表情に胸が痛んだ。
確かにみんなに私も着いて行きたい。
でも女の私がそんなこと許されるはずがない。
だから私は何も言うつもりなかったのに。
「雪、行きたいんでしょう?あなたの剣の腕があれば女であろうと許されるわよ」