誠の華-アサガオ-
「それで…、麗華と呼んだ方が良いのか?」
「ううん、私は桐谷麗華の名を捨てる。周助先生がくれた名前の方がずっと好き!」
「そうか、そんなに喜んでくれていたのか」
「うん!だって大好きな周助先生がくれた名前だもん!」
「嬉しい事を言ってくれるな」
そう言って私の頭をクシャッと撫でてくれた。
「それと…、歳さんから聞いたかもしれないけど…私は傷を治す力があるみたい」
「あぁ、町で女を助けたんだろう?」
「そう。未来でもそれが原因で両親や友人に…」
「そうか…。でも何故その力があるからと言ってそのような事を…」
「気持ち悪いんだと思います。人は少しでも普通と違ったところがあればその人を毛嫌いする者です」
「………周りがどう思うかは分からないが少なくとも俺はそんな力を持つお前が凄いと思う」
「私が…凄い?」
「あぁ。もしそんな力があれば人を助けられるだろう?羨ましい限りだ」
「羨ましい…そんなの初めて言われた……」
周助先生がそういう風に思ってくれた事を嬉しく思う反面、私の力を見てしまった歳さんや町の人達からまた同じ様な扱いを受けるのではないかと思うと不安で堪らなかった。