誠の華-アサガオ-
みんながいなくなってからの毎日は驚くほどつまらない。
雪は撃剣師範となり、門下生に指導をするようになった。
一日ってこんなに長かったかな。
一歳になり、少しずつ歩けるようになってきたたまと庭を散歩しながらそんなことを考える。
「ゆーきー」
疲れたのか雪に向かって両手を伸ばすたま。
「えー、抱っこして欲しいの?たま重いんだもーん。腰が痛くなっちゃう」
「うぅ…えぇーーーーーーんっっ」
「だぁーーーーーっ!泣かないで!!抱っこする!抱っこするから!!」
たまを抱っこして家に入るとつねが繕い物をしていた。
「あら、寝ちゃったの?」
そう言われて見てみると目を閉じて寝息を立てていた。
「本当だ。言われるまで気づかなかった」