誠の華-アサガオ-
土方と沖田に着いて行くと、着いた場所は天然理心流試衛館と言う場所だった。
「おふでさん、卵買ってきたぜ」
「ありがとう、歳さん。あら?そちらの子は?」
「あぁ、さっき拾ったんだよ。記憶が無えみてえなんだ」
「まぁ可哀想に!着物もこんなボロボロだし…。宗次郎、小さくなった着流し貸してあげて!」
「は〜い!」
「じゃあ貴方はこっちにいらっしゃい。綺麗にしてあげる」
「…ありがとう」
私は半強制的におふでさんの部屋へ連れて行かれた。
「貴方、記憶がないの?」
「うん」
「そう…。じゃあ貴方が今分かる事を教えてくれるかしら?」
「年は…10。これしか分からない」
「そっか。なら宗次郎と同い年ね」
スパーーーーンッ!
おふでさんと話していると突然襖が勢いよく開けられた。
開け放った人物は言わなくてもわかるだろう。
「おふでさん!持って来たよ!!」
「これ、宗次郎!声をかけてから襖を静かに開けなさいといつも言ってるでしょう!」
「ごめんなさ〜い!」
相変わらず反省の意が見えない謝罪を述べる宗次郎。
「全く…。はい、貴方はこれ着なさい。着物を買いに行くまでは宗次郎のお古で我慢してね」
「うん」