誠の華-アサガオ-
川田さんは刀に付着した血を舌で舐めると私の方に視線を向けた。
「僕は…一度人を斬ると楽しくて止まらなくなってしまいます」
この人は狂っている。
今すぐ逃げなきゃ、と思うのに体が動いてくれない。
「俺を心配した父は、俺に大切な人が出来ればこの気持ちもなくなるだろうと思ったみたいだが、この気持ちは全く変わらないみたいだ」
彼はニヤリと口角を持ち上げるとジリジリと私に詰め寄ってきた。
「貴方のような綺麗な人を斬れると思うと気が高ぶるな」
「だ、誰か…っ!誰か助けてください…っ…!!」
町行く人に助けを求めるが皆視線を反らし、逃げていってしまう。