誠の華-アサガオ-





「雪!!大丈夫?!怪我してない?!」




「心配したんだよ!!!」




「ったく。驚かせやがって」




上から宗次郎、平助、土方が雪を心配しているなか、勝太は永倉に頭を下げていた。




「雪を助けてくださってありがとうございます」




「俺は普段喧嘩は止めねえけど女や子供に手をあげるような奴らだけは放っておけなくてな」




永倉はニッと白い歯を見せて笑った。




「お礼もしたいですし良かったらうちに来ませんか?」




彼は少し考える素振りを見せると少しだけ、と了承してくれた。




「あ、待って…」



雪は先程川田に斬られた男の元へ駆け寄ると傷口に手をかざした。




強い光が男を包み込む。



「これが…雪の力………」



光が止むとゆっくりと男は目を覚ました。



平助は雪が不思議な力を持ってるのは知っていたが実際に見たのは初めてだった。



「…あ…俺……確か…今斬られて……。お嬢ちゃんが助けてくれたのか?」




雪は首をふるふると横に振った。




「あなたは酔った勢いで頭を打って気絶していたんですよ」




「そ…うなのか……?」




男は首を傾げながら人混みの中に消えていった。




ヒューゥッと口笛が聞こえたのでそちらに顔を向けた。




「たまげたな〜。雪は不思議な力を持ってんだな」



雪は苦笑を浮かべるだけで説明はせず、試衛館に帰ろうとみんなを促した。




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