誠の華-アサガオ-
「なあ、勝太さん。俺と試合してくれよ!」
「もちろん良いぞ!宗次郎、審判を頼む!!」
「分かりました。両者構え、始めっっっっ!!!!」
永倉さんは神道無念流。
神道無念流の剣術の特徴は、「力の剣法」と言われる如く、竹刀稽古では「略打(軽く打つこと)」を許さず、したたかに「真を打つ」渾身の一撃を一本とした点にあてる。
そのため、他流派よりも防具を牛革などで頑丈にしていた。
江戸三大道場は道場主の名から「位は桃井、技は千葉、力は斎藤」と評されており、神道無念流は他流派と比べて力の剣とされていた。
そんな神道無念流の試合を見るのは初めてだった雪はまるで何かに取り憑かれたかのようにその試合から目が離せずにいた。