誠の華-アサガオ-
「周助先生、雪です」
「入りなさい」
失礼します、と声をかけ原田と雪は入室した。
「おぉ、目覚めたか。気分はどうだい?」
「まだ少し頭が痛むが大丈夫だ。それよりわざわざ酔っ払いを看病してくれてありがとな。助かったぜ」
ニッと白い歯を見せて笑うところは永倉のようだ。
「そうか、それは良かった!私はここ、天然理心流試衛館の道場主の近藤周助だ」
「俺は原田左之助。今は脱藩して浪人やってる。一応剣術も槍も免許皆伝だ」
嘘でしょう?!
頭空っぽで本能に従って進むだけのように見えるこの男が本当に剣も槍も使えるのか?
疑いの眼差しを向けているのは私が入る前に既にいた宗次郎もだった。