誠の華-アサガオ-
「歳、すまん。逢瀬の途中で…」
ぜぇ、はぁ、と息を切らす勝太の横で首を傾げる。
「歳さんの恋人なの?」
土方の隣に並ぶ女性に問いかけると、その女性はニッコリ笑って頷いた。
「そうなんだ。じゃあ昨日一緒にいた幸さんは恋人じゃなかったんだね」
昨日、歳三と仲睦まじく微笑み合っていた女性を頭に浮かべながら2人を見るとあら不思議。
歳三は顔を青くし、女は顔を赤くしていた。
「なんですって⁈歳三さん、お幸さんとは別れたって言っていたじゃないの!!」
2人の顔色を見て対照的だな〜と呑気に考えていたら突然女が歳三に詰め寄った。
隣であたふたしていた勝太は中に割り込むと歳三の代わりに謝り出した。
「菖蒲さん、すまない!歳三に代わって俺が謝るから…どうか許してやってくれないか?」
勝太がそう言うと女は思いっきり勝太の頰に平手打ちをし、鼻息を荒くさせて帰って行った。