「 こちら、放課後生徒相談部! 」
「佐々木さん、話聞いてる?」

綾人センパイが心配そうに身を乗り出し、アタシの顔を覗きこんでくる。
前に座ったセンパイの、長くキレイなまつ毛がとても近くに見える。

―――ち、ちょっと待って、ちちち、…近い!

思わず赤面して、顔を逸らすアタシ。それを不思議そうに見ながら、パイプ椅子に腰かけ直す彼。

「きき、聞いてます!ええっと、…」

落ち着いたところでアタシはセンパイの方を向き直すと、膨れっ面で目の前に置かれたプリントに目を通す。

なになに、―――ボランティア部の廃部検討について…



「な、なななんですか!コレ!」



ページをめくっていくと、そこにはこう書かれていた。


『ボランティア部は目立った活動もなく、部員も現在は生徒会の定める規定人数より大幅に下回っている。よって、生徒会執行部はボランティア部の廃部を検討している。』


嫌だ、嫌だ…この場所がなくなるなんて。センパイとこうやってもう会えないなんて。

考えるだけでぼろぼろと涙が溢れてくる。


「…泣かないで、まだ決まったわけじゃないんだから。もちろん止めるつもりだし」
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