「 こちら、放課後生徒相談部! 」
きりっとした顔で、アタシの方をまっすぐ見るセンパイ。
センパイにとって、この部活は大切なものだと伺(うかが)える。
アタシだって、センパイが思っているくらいこの部活が大切だ。
涙を制服の裾で拭うと、アタシは唐突に立ち上がりそのプリントをびりびりと引き裂いた。
そして部屋に撒き散らすように、手から離すとにいっと笑ってみせる。何だか紙吹雪に包まれているみたい。
「アタシが、センパイもこの部活も守ってみせます!」
センパイは驚いたようにアタシを見上げて、それからふふっと笑みを零した。アタシの体温は一気に上がる。
アタシはぎゅっと、拳に力を込めて固く目を閉じる。
(綾人センパイの悲しむ顔は、見たくないもん…)
「ありがとう。心強いな」
その言葉に、瞼を開けると優しくこちらに微笑みかける綾人センパイがいた。――――そうと決まったら…
「佐々木さん、――それ片付けてから話を進めよう」
「…は、はあい」