「 こちら、放課後生徒相談部! 」
「―――で、まず目立った活動をしようと思う」


床に散らばった紙くずを片付けて、一息ついたところ。先に口を割ったのはセンパイの方。


「活動って、やってるじゃないですか!相談!」


生徒から相談を受けるのも立派な活動の一つだ。「相談部」だと言われるが、活動してるのは紛れもなくアタシたちだし。


だから、廃部検討の理由に活動云々書かれるのは心外だ。


「ここ最近、相談なんて受けていないだろ。それに執行部からも勘違いされてるようだし」


溜息混じりの言葉に、アタシはどう反応すればいいか分からなかった。センパイの言うとおりだ。アタシは言葉に詰まって俯いてしまう。


「ボランティア部として、ここは清掃活動でもしようと思うんだ」


「清掃活動、ですか…」

(負けた気分になってるのは、アタシだけなのかな。)


しゅん、とあからさまに気分を落とした顔をしているといきなり額を小突かれた。

「うう…何するんですかぁ…」

小突かれた場所を手で押さえながら、顔を上げる。するといつになく真剣な表情をするセンパイの姿が瞳に映る。


「始まってもない勝負で、そんな表情をするな」


また同じことで怒られてしまった。アタシは小さくはい、と返事をした。だからって、今すぐこの気分が変わるわけじゃないし、笑えもしない。


(何だか嫌な空気。…アタシが悪いんだけどね)
< 5 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop