彼岸の杜
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ここ(というかこの時代?)に来てからはや数日。あたしはずっと茜の家にお世話になっていた。
着るものは茜の着物を貸してもらってるから困ってないし、寝るもころは言わずもがな。
食べ物はちょっと少なくて質素だけどおいしいものはおいしいし、死ぬほどお腹すくってわけじゃないし。ダイエットだと思えば苦ではない。
むしろお金とか払ってるわけでもなく居候みたいな感じのあたしに衣食住の全てを与えてくれてるんだから食べ物の量がなんぼのもんじゃい!って感じ。たまーにケーキとか甘いもの恋しくなるけどね。
ただね、うん、ただね。この暮らしにも慣れて勝手のわからない台所の扱いもそれなりにできるようになってその他もろもろにも順応して不自由はないんだけど、なんというか……
「暇だ」
そう、この一言に限ると思う。