彼岸の杜
でも困った。確かにこの髪は目立つことこの上ない。だって茶金だもん。きらっきらのぴっかぴかよ?
あたしが未来から来てるって茜たちは信じてくれたからいいけど他の人が信じてくれるとも限らないし。というか頭おかしくなったんじゃないかって思われるわ確実に。
「やっぱ無理かな?」
リアルな村見てみたかったんだけどなぁ。(理由がミーハー交じりで申し訳ない)
「いや、大丈夫だよ」
ニッコリと笑った清二さんにあたしと茜はキョトン。へ?大丈夫なの?だってこの髪よ?
パチパチと目を瞬かせるあたしに清二さんは「ちょっと待ってて」と笑顔をこぼして歩いて行ってしまった。
何か考えがあるんだろうか。いや考えなかったらあんな笑顔で行ったりはしないと思うけど。
「朱里は未来から来たのだものね。この村は珍しいのかしら?」
「うん、そりゃ珍しいよー。こんなの教科書とか博物館とかしかないからね」
しかも博物館とかもあれレプリカとか復元したやつだし。リアルなのは戦争とかでなくなっちゃったんじゃないかな。
「あ、博物館っていうのは昔の古い記録とか建物とかがあるところだよ」
危ない危ない、茜の当たり前はあたしにとってのとは違ったんだった。
学校とか教科書の話はしたことがあったからわかっていると思う。だって茜って一度聞いたことすぐ覚えるし。あたしより確実に頭いいわ。