彼岸の杜



あたしなんか……ふっ。テストでここ出るぞと先生に言われたにもかかわらず、そしてそこを勉強したはずなのにテストでも点をとれないっていうね。


結構自信あったものとかも悲惨な点数で返ってくるのは必須だわ。たまに、ほんとたまに予想通りの点数で返ってくるけどね。


毎回テストで悲惨な点数を背負ってくるから時たまあるいい点数はこっそりお祈りに使ってたりするんだよね。


あ、もちもん自分用だから!さすがに人のには使わないし。というか多分あたしにとってのいい点数が平均だから他の人には効果ないと思う。



「あ、戻って来たわ」



茜の声に顔を上げると清二さんがこちらに向かっているところで。ん?なんか手に持ってるな。


あれは布かな、と考えていると清二さんが「お待たせ」とその手に持ってるものをあたしに渡してきた。なんだこれ。



「ちょうどあってよかったよ。それがあればあまり周りからも見られないだろ?」



清二さんがくれたのは頭から被る頭巾だった。なんだろ、あたしの乏しい表現力で言うなら防災頭巾みたいな?


某有名な戦争アニメほにゃららの墓でみんなが被ってるようなやつ。この時代がいつ頃かはわからないけどこんなのあったんだ。





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