彼岸の杜



というわけで内心パニックながらもちょいちょいと清二さんの様子を伺いながら見ていると不意に清二さんがあたしの方を振り返って困ったように笑みを浮かべた。



「ごめんね、いきなりあんなところ見せちゃって」


「い、いえいえいえ!あたしこそ、なんか人様のご家族仲を覗いちゃった感じで…」



すみません、と肩をすくめるあたしに清二さんは「朱里さんが気にすることじゃないから」と頭ぽんぽん。う、うわ、なちゅらる……さすがイケメン。こういう人がモテるんだよなぁ。


とりあえずこのまま清二さんの家の前にいるのもどうかと2人で移動する。でもあらかた村の中も見られて個人的にはお腹いっぱいな感じなんだよね。


もう茜のいる神社に帰るのかなぁと清二さんを見上げると清二さんは少し考えてから行きたい場所があると行って歩き出した。


その後ろをおとなしく着いていくとどうやら神社の方向に向かってるみたい。


んー?行きたいとこって神社?でもそれならわざわざ行きたい場所なんて言わずに帰るとか言うよね?いや清二さんの家ではないけどさ。




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