彼岸の杜
首を傾げながらも着いて行くと神社には着いたものの神社の中?には入らずにその周りにある小さな森の中に入って行く。え、道っぽい道とかないんですけど。
目を瞬かせて「そっちですか?」と目で訴えてみると手招きをされる。あ、やっぱそっちなんすね。間違いとかじゃなくてやっぱそっちなんすか。
うん、まぁ。あたしの家も神社だったし他のところと比べるとそれなりに自然は多かったよ?それを利用して子供の頃は外を駆け回って遊んでたし。ふっ、虫捕りしてたとか今じゃ考えられないわ。
でもさすがに中学くらいから、あ、いやもっと早かったと思うけどそれくらいからは外を駆け回ったりはしないわけよ。どっちかと言うとあたしってインドアだし。
しかも今のあたしの靴ってちゃんとした靴じゃなくてどちらかと言うと草履と呼ぶのがふさわしいような心もとないもの。プラスして裸足よ。……清二さん、初心者にそっちを勧めますかね。
なんて内心シクシクしながらも言えるはずがなく(だって清二さんイケメンなんだもん!めっちゃ爽やかスマイルだったし!手招きされたとき胸キュンのトキメキ感じてむしろ喜んで行ったしさーせんっ!)清二さんの後に続く。
あたしに気を使ってかゆっくり歩いてくれる清二さんにまたしてもトキメキながらついて行くと少ししてピタリとその歩みが止まった。