彼岸の杜



うーむ、確かにこう言うのは一番偉い人が行くのがセオリーだけども聞いたところじゃそのお嫁さんの子供っていうのはまだ予定日先らしいし、ちょっとモヤモヤする。


この時代はっきりと子供が何日に生まれるとかはまだわからないしアバウトにはなるけど、さすがにお腹ぺったんこならまだ先でしょ。


それにお産とかって昔からある人間の摂理だし大体どれぐらいってわかるものじゃないのかな。十月十日だっけ?それぐらいならあたしも知ってるし。


むむむ、と考え込むあたしに茜がクスクスと笑う。清二さんが来ないのに茜ったら全然気にしてないんだから!来なくてもいいと思ってるのか?!


とまぁそんなことは思ってないけど来ないことに心細さとかは本当に感じていないんだろうか。あたしですらこうなのに…これが大人の余裕か。あれ。



「そういえば茜って何歳?」



今まで聞いてなかったし勝手に年上だと思ってたけど実際のところいくつなんだろうか。


いきなりの質問にキョトンとしながらも考えてくれているのか首を傾げている茜。そっか、この時代ってそういうのあんまり気にしてないんだっけ。しまった。



「別に覚えてなかったらいいよ?」


「いえ…そうね。多分にはなるのだけど、今年で17かしら?」


「17?!」



え、17歳!!?しかも今年で?!ということは……




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