彼岸の杜




「あたしと1個違い!!?」



なんてこった!!1つしか違わないだと?!


マジか、え、マジなのか茜さん!!あたしと1個しか違わないのにその色気!犯罪級ですよ?!羨ましいっす!!というか羨ましい超えて自分が悲しすぎて切ないんですけど?!


しくしくと涙を拭うあたしに茜はキョトンとしながらも大丈夫かと優しく聞いてくれた。うん、心がだいぶ重症だけど大丈夫だよ。その優しさが辛いわ。


そして後々気づいた話だけどこの時代は生まれた時から1歳と数えるから実際には茜とあたしと同い年だったというね。気づいたときさらにショック受けたわ。


ごはんを食べた後は食器を一緒に洗って布団を出す。まだ使わないけど先に出しておいた方が後々楽だもんね。



「ね、清二さんって明日立つのかな?」


「今日聞いたからそうだと思うわ。多分朝の早い時間に出るんじゃないかしら」



周りは森とか自然が多いところだから熊とかの動物に襲われることもあるのでできるだけ早くでて夜を凌ぐ必要があるらしい。うお、なんというサバイバル……こわっ。


あたしの家の周りも自然が多いっちゃ多いけどさすがに熊が出るような危ない感じはないからね。てかそんなのが家の周りにあったら恐怖だよ。




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