彼岸の杜
パシャ、と朝日を反射して水がまるで星みたいに輝く。それが彼岸花にかかってますます綺麗。
そしてそれをしている茜はもっと綺麗。すごいなぁって、羨ましいなぁっていつで見惚れちゃう。あたしもこの十分の一ぐらいの美しさが欲しいわ切実に。
これで年1個しか変わらないのかと昨日の衝撃に遠い目をしつつ茜をしばらく見つめているとそれに気づいたようでこてんと首を傾げた茜。
「よかったら朱里もする?」
「んー、それはいいや」
するのも楽しそうだけどどっちかというと見てる方が好きだし。あたしって思ってたよりもインドアなのかも。ゴロゴロするの好きだしね。
ショッピングとかも好きだけど精力的にどこか遊びに行こうっていうのは誰かに誘われないと行かないしなぁ。ここに来たら暇だからという理由で外出は増えたかもだけど。
あれ、でも紗季と遊びに行くのはあたしから誘ってる?いや、その前に紗季がつれなさすぎて遊びに行く回数少ないし遊びに行くって言ってもカフェとかで時間潰すだけだからそこまで動いてもないのか。
ここに来ての新たな自分を発見。遊ぶのも嫌いじゃないけどね。
そう?と言った茜に頷きながら他愛もない話をして水をやり終えるとごはんにしようと家に戻る。その途中で今更のように気づいたものにあたしは首を傾げた。