彼岸の杜



いやニュアンス違うか?と1人うーんと唸っているとピコンと頭の上に電球が光る。(表現古いのは仕方ないなぁと温かい目で見てくれ)


わかった!神様っているってどこかで思ってるけどそのどこかっていうのが曖昧だから「あの向こうに神様がいるんだよー」って言われてもピンとこないんだ!


うんうんと納得。小さい時もお空の上にいるんだよーとか自分の目じゃ確認できない未知の空間にいる感じだったもん。


そりゃさすがにこの歳になったら学校でそういうところも習うし空の上とかはもう考えられないけどさ、それでもあたしたちがいる世界とは1つ高い別の世界にいるって感じだもんね。



「入りたいの?」


「え、入ってもいいの?」



思わずキョトンと茜を見つめる。


だって神域だよ?神様がいるところだよ?そんな簡単に入っちゃっていいのか?バチ当たったりしない?


首を傾げるとクスクスと茜が笑みをこぼす。すまん茜、あたしにはどこが面白かったのか全くと言っていいほどわからないんだが。



「入ったら神様が朱里を気に入ってこちらに帰ってこれなくなるかもしれないわね」


「………」



それってつまり死ぬことと道義じゃないのか?神の御許にってやつでしょ?え、マジで言ってます?


茜よ、そんなのほほんと言われても危機感とかが募らないからせめてもう少し真剣に言ってくれ。




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