いつだって、ヒーロー。
ごめん田渕。
それでも行きたいところがあるんだ。
いずはお人好しだから。
人を疑わない。
だから余計に心配なんだ。
田渕の手には力が全然入ってなくて簡単に服から離れた。
そして走り出す。
南側の神社の近く。
そこら辺を探せばいるはずだよな。
人も多いし、そんな簡単に動かないはず。
中学の部活でつけた体力も、高校になって部活をやめると一気になくなる。
少し走っただけでありえないほど息切れをする。
「あ〜…はあっ…どこだよ…!」
南側まで来たけどみつからない。
人多いもんな…。
けど、ここで諦めるわけにいかない。
田渕は大丈夫か?
と、頭の片隅で考えながらもう一度走り出す。
そして角を曲がると……………