いつだって、ヒーロー。


「わかってるよ…。何言われたかも覚えてる。けどさ、目の前で泣きそうな奴をほっとけるわけねえだろ?」


そういう優しさを見せないで。


甘えてしまいそうなんだよ。

ダメなの、それじゃ。


「もう終わりだよ…。ヒーローは…もう終わりだよ…」


「ヒーロー…?なんだよ…それ…」


もう、終わり。


私にとってのヒーローも終わりなんだ。


ヒーローだなんて思うから助けが来るのかもしれない。


だったら…ヒーローはお終いだよ…?


「なあ…どういうこと?」


「ううん…。ごめんね、何もないよ…」


涙は絶対に流さないからね。


宮城くんには今日の空みたいに綺麗な心があるから、涙を流すと引き止めてしまうことになる。



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