いつだって、ヒーロー。





「なあ、もう別れようぜ」




「なんで…?」


悲しいよな。


田渕のつらそうな顔が1年前の俺と重なる。


知ってる。


別れようって言葉がどれだけ鋭利なものになるか。


何も考えられないくらい、頭を真っ白にする言葉なのか。


「俺、まだいずのことが好きなんだ。俺の隣はいずがいい」


その言葉とともに田渕の頬には涙が伝う。

お前のこと好きになろうと思った。

努力した。



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