いつだって、ヒーロー。
「泉、そんな顔しないでよ〜。振ったのは私だから」
自習時間、皆はザワザワしているけど私たちはしんみりしていた。
つーちゃんは私の頭をクシャクシャと撫でる。
「どうして…振ったの…?」
聞いても大丈夫なのかな?
「俺以外に好きな奴でもいる?って聞かれたの。そりゃね、そんなわけない!って言ったんだけど…なぜか納得いかなくて。どうしてだろうって考えたらさ…ある人が思い浮かんじゃった」
ある人…。
私にとってある人があの人だったら、少し嬉しい。
「浜野くん…?」
「…泉でもそれくらいわかっちゃうか。うん…私、浜野が好きなんだなって気づいちゃった」
断然元カレの方が優しいのにね、と言って浜野くんに視線を向ける。
私も同じように浜野くんを見る。
北原くんとケラケラ笑って周りも巻き込んで楽しそう。