いつだって、ヒーロー。


「泉、そんな顔しないでよ〜。振ったのは私だから」


自習時間、皆はザワザワしているけど私たちはしんみりしていた。

つーちゃんは私の頭をクシャクシャと撫でる。


「どうして…振ったの…?」


聞いても大丈夫なのかな?


「俺以外に好きな奴でもいる?って聞かれたの。そりゃね、そんなわけない!って言ったんだけど…なぜか納得いかなくて。どうしてだろうって考えたらさ…ある人が思い浮かんじゃった」


ある人…。

私にとってある人があの人だったら、少し嬉しい。



「浜野くん…?」


「…泉でもそれくらいわかっちゃうか。うん…私、浜野が好きなんだなって気づいちゃった」


断然元カレの方が優しいのにね、と言って浜野くんに視線を向ける。
私も同じように浜野くんを見る。


北原くんとケラケラ笑って周りも巻き込んで楽しそう。


< 296 / 346 >

この作品をシェア

pagetop