いつだって、ヒーロー。
「な、んで…」
別に、別れることがおかしいことじゃない。
だけどどうして気になるんだろう。
「好きな人ができたから。…じゃなくて、忘れらんねー人がいるから」
バカだな、私。
どうして、
もしかして…
なんて期待しちゃうんだろう。
「だからもう、気にすんな」
グシャグシャと頭を少し乱暴に撫でる。
そんな笑顔…見せないでよ…。
鼓動が速くなるんだ。
宮城くんの笑顔はいつも私をドキドキさせる。
胸をきゅーっと締め付ける。
「その…忘れられない人って…ど…どんな…人…?」
気づいたら宮城くんのブレザーを握っていた。
何してるの、私。
「ちっさくて…バカでおっちょこちょい。けど、友だちが大好きで…よく笑う。よく泣いて、何でも信じて、たまに騙される。助けてやりたくなるような奴…かな?」
違う。
違うよ。
私じゃないよ…。
なのに、私だといいな…なんて思っちゃうなんて…ズルイよ…。