いつだって、ヒーロー。


「きゃーっ!!やっとなんだね!」


「し、しーっ!大き声出しちゃダメ!」


真緒ちゃんの口を思いっきり塞ぐ。

湊に聞こえちゃうよ!


休日、私の家で真緒ちゃんと遊ぶ約束をしていて、打ち明けた。


もちろん、


宮城くんが好きだってこと。


「うん、うん、泉っ…うう、いずみ…!」


「な、な、なんで、泣いちゃうのっ?」


突然泣き出す真緒ちゃん。

わ、わ、わ、私何かしちゃった⁉︎


「だって…泉っ…ずっと悩んで…やっと気づいたんだね…!私…気づいてたんだよお…!」


「き、気づいてた…?」


子どもみたいにワンワン泣いちゃう真緒ちゃんの背中をさする。


スンスンと鼻をすすりながら目をゴシゴシこすっている。


「泉はっ…好きじゃないって、言い聞かせてるだけで…ほんとは…自分の気持ちを認めてないだけだっ…て」


真緒ちゃんは全部……お見通しだったんだね。

それでも何も言わなかったのは、きっと私が自分で気づかなきゃいけなかったからだよね…?








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