いつだって、ヒーロー。


「い…ずみ……」


話終えると2人とも涙が止まらなかった。

話をしながらあの時のことを思い出して、怖くなった。苦しくなった。


でも真緒ちゃんが背中を撫でてくれてどうにか話ができた。


「ずっと…1人で抱えてたんだね…。ごめんね…気づかなくてごめんね…」


「違うよ…。私が言わなかったもん…。気づかなくても…仕方ないんだよ…。ずっと…本当の理由隠しててごめん…ね」


親友なのに。

いつも応援してくれたのに。

隠して、嘘ついてごめんね…。


「バカ…。なんで…泉が苦しい時に支えてあげられなかったなんて…。悔しいよっ…!」


私は、その気持ちだけですごく嬉しいよ。

悔やんでほしくて言ったんじゃないよ。


大切な真緒ちゃんには本当のことを言いたかっただけなんだ。


だから、泣かないで?


< 306 / 346 >

この作品をシェア

pagetop