いつだって、ヒーロー。


「ついた!ほら、行こ!」


勢い良く自転車からおりて手招きをする。
無邪気に笑う宮城くんの元へと駆け寄る。


「これ…ありがと」


足にかけていたコートを返すと、さみ〜って肩をすくめながらコートを着た。

やっぱり寒かったんだね。


「あの…どこに行くの?」


行き先を聞いてない私は宮城くんの隣を宮城くんが行くままに歩く。


「ん〜内緒」


もう…。

聞いても教えてくれなさそうだから、これ以上は聞かずにただ隣を歩いていく。


お家から自転車で来れる距離なのに、辺りは全然知らない景色。

何年も住んでるのに、初めて来たかも…。


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