いつだって、ヒーロー。
好きがどんどん膨らんでいく。
1年前のあの頃よりも、うんと強く。
宮城くんじゃなきゃ嫌だって…。
「永倉…?」
私…いつからこんなに大胆になったの?
ほら、宮城くんがビックリしてるよ。
宮城くんの冷たい右手を両手で握る。
こんなにも冷たいのに、コートを貸してくれたんだね。
「宮城くんっ…。私っ…みやし…」
「ホワイトクリスマスだっけ?」
「え…?」
遮られた私の小さな勇気は、夜空へと消えた。
その代わりなのか、雪が降り続く。
私が握る手から視線をはずしてもう一度ツリーを見る。
「すげーよなあ…。今日雪が降るなんて」
私が握っている反対の手で雪を拾うように空に手のひらを向ける。
雪が一つ手のひらに舞い降りると大事そうに握って、ポケットに手を入れた。