いつだって、ヒーロー。


「うん…奇跡みたいだね!」


「…………っ!」


奇跡。


そんなもので表してもいいのかな。

だけど、こんな特別な日に雪が降るなんて私にとっては奇跡なんだ。


今こうやって、綺麗なツリーを2人で見てることでさえ信じられないよ…。

クリスマスを宮城くんと過ごせたことだけで嬉しいのに、ホワイトクリスマスなんて…。


どうして、そんなに驚いた顔をしてるんだろう。

さっきから、目をパチパチとさせて固まってる。


「笑った…」


「え?」


「やっと俺に向かって笑ったな」


記憶を辿っていく。

私は今までどんな顔を見せてた?


別れてから私は…笑顔なんて1度も向けていなかったかもしれない。


泣いてばっかりだったなあ…。


嬉しそうにもう片方の手で私の両手を握るから、胸のドキドキが止まらなくなる。


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