いつだって、ヒーロー。


好きって気づくとこんなにも、ささいなことでドキドキする。


「…あ、やべえ!そろそろ帰るか!」


我に返った宮城くんは腕時計を見て焦り出す。


そのまま私を引っ張って駐輪場へと歩く。

また荷台に乗ってさっき来た道を帰る。


気づけば雪は降り終わり、どこか静かにになった。


肩まで伸びた髪が風になびく。
その風にはやっぱり大好きな懐かしい匂いが混ざっている。

行きよりも速いスピードで景色は変わっていく。

きっと、時間が遅いからって急いでるのかな。


私は……もう少し、一緒にいたい。


だから急がないでゆっくりでいいんだ…。



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