いつだって、ヒーロー。


部屋はやっぱり時計の針だけが音を出す。

一気にクリスマス気分が抜けてベッドに座る。

枕元にあるライオンのお人形を撫でると、手に握る物を思い出す。


「開けちゃおうかな…」


なぜか緊張して開けられなかった、宮城くん…ううん、サンタさんからのクリスマスプレゼント。

明るいところで見ると、ピンクのドット柄の小さい袋に右上にはリボンが付いている。


可愛い…。

マスキングテープを剥がして、袋から取り出す。


シャラ…という小さな音と一緒に出てきたのは…


「わあ………!」


ピンクゴールドの小さなリボンが1つだけついているネックレス。

電気の光でキラキラしている。


言葉が出なくてしばらく見つめる。

サンタさんからのクリスマスプレゼント。



1年に一度の、特別な日。


いつもいつもお母さんとお父さんと湊と過ごしていた。
特別な日だとは思っていたけど、料理が豪華になるくらいであとは何も変わらない日だった。


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