いつだって、ヒーロー。


だけど……。

ネックレスをキュッと握って目をつぶる。

すると、思い出すんだ…。



突然電話がかかってきて、

『会いたい』

って言ってくれた愛おしい声。



寒いなんて言いながらコートを貸してくれた意地悪な顔。



悔しそうに『去年…連れてきてやりたかったな…』なんて言う横顔。



サンタさんの格好をして、プレゼントを渡すと帰っていった背中。


ずっとドキドキしっぱなしだよお…。


「忘れられないよ…こんな日」


きっと、嫌でも忘れないよ?

大好きな人と過ごすってこんなにも嬉しいんだね…。


想いを伝えたりはできていないけど、少しだけ…距離が近くなった気がした。





「好きです…………宮城くん…」



こんなにも好きなんだ。


一年前とは比べものにならないくらい、好きは大きくなっていく。


宮城くんの優しさと笑顔に触れるたびに強く、強く。


好きだと自覚してからそんなに経っていないのに、どうしてこんなにも好きなんだろう。



「ありがとう……サンタさん」







本物のサンタさんは、私に大好きな人といれる時間をくれました。














< 325 / 346 >

この作品をシェア

pagetop