いつだって、ヒーロー。



「あ〜マジやべえ…。ニヤけとまんねえ」


無理だ。

どうやっても、頬を両手で下にさげても口角はあがってしまう。


きっと俺の顔気持ち悪いだろうな〜。

あの日から俺の気持ちは有頂天だ。


「クリスマス…過ごしたのはでかいよな。くくっ…あーもーやべえよ」



クリスマス。



好きな人がいる奴なら誰だってその人と過ごしたいって思う特別な日。


俺だってその1人。


世に言う聖なる夜ってやつを、いずと過ごしたんだぜ?

俺もう勝ち組だよな?






いず、俺のこと好きだよな?


なあ俺、そう思ってもいい?



『宮城くんっ…。私っ…みやし…』



あの言葉の続き…『好き』でいいよな?


泣きそうな顔で俺の手を握ったときに懐かしかったんだ。


ずっと握ることを避けてきたいずの小さな手。

そんな手が俺の手をきゅっと握った。


うるうるした目で俺をとらえて、そう言ったんだ。


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