いつだって、ヒーロー。


でも、その前に俺はお前に聞きたいことがある。



「………お前、俺に隠し事した?」






「え……………?」



目が泳いだ。

一瞬だけ目を大きくして、すぐに目線をそらした。


「1年前……俺に言わなかったことあるよな?」


もう、抱え込まないでいいんだって。


そんな小さな体で、細い腕で、隠さなくていいんだよ。


「ない……よ…」


嘘だ。


こんな時までいずは嘘をつく。


でもさ、泣くなんておかしいだろ?


涙をボロボロと流しながら否定した。



カバンをきゅっと抱えて。








「最低だよ」







俺はもう、限界なんだよ。








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