いつだって、ヒーロー。
「ごめんなさいっ…!お願い…だから、北原くんのこと…嫌いになっちゃ…ダメだよっ…」
「………は?どういうこと?」
私のほっぺたに触れようとして伸ばした手がピタッと止まった。
きっと…涙を拭おうとしてくれたんだ。
「言ってたよ…。私のこと…大事にしてる宮城くんを……そんないい人と仲良くしないなんてっ…無理だって…」
体育で怪我をして保健室に行ったとき。
北原くんはそう言ってた。
嘘じゃないって思った。
「だからっ…北原くんと…友だちやめたりしないで……」
本当はいい人なんだ。
伝え方を少しだけ間違っちゃったんだ。
宮城くんと仲良くしてたのは、本心からなんだよ…。
「……………最低なのは俺の方だよ。バーカ」
ふわっと宮城くんの匂いが広がる。
私の目の前には二つめのボタンまで開けられたカッターシャツから覗く綺麗な鎖骨。
ドキドキと胸の音が大きく鳴る。
宮城くんに抱きしめられた私はビックリして動けない。