いつだって、ヒーロー。


「ごめん…。お前の隠し事に気付いてやれなくてごめん。嘘に気付いてやれなくてごめん。お前のそばにいてやれなくてごめん…」


弱々しく耳元で囁く。


いつまでも、どこまでも優しいんだ。


「けど…これからは俺がお前のそばにいたい」



「これ……から…?」


もう、涙が止まらないよ。


「俺のこと信じろ。お前が誰に何されたって、離したりしねえから…。だから…」


私の肩をそっと掴んで体から離す。


私の涙を拭った宮城くんと目が合う。






「俺ともう一度付き合って」




夢を見てるのかな?


ここにいる宮城くんはほんもので、今の言葉もほんものなんだ。


やっと、宮城くんのもとに帰れる。



気づくのが遅すぎたんだ。



『好き』という気持ちに。


今さら溢れ出すその気持ちは、どうしようもないくらいに膨れ上がる。



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