いつだって、ヒーロー。
そんなたくさんの想い、唇から伝わってほしい。
『私の』ヒーローは、今日までだね。
これからは、
『みんなの』ヒーロー。
終わっても、私のものではなくなってしまっても、
青くんは私にとってヒーロー。
「青くん…別れよう」
幸せだったよ。
そう胸を張って言えるよ?
だけど私は青くんを傷つけちゃう。
だからそばにいちゃダメなの。
なんで?って明らかに動揺しながら言う。
「…好きじゃなくなったから」
ううん、嘘。
好きだよ、大好きだよ。
今すぐぎゅってしたいくらい、大好き。
嘘に嘘を重ねて、それでもそう思っちゃう私は、
最低だ。
泣いちゃいけないのに。
泣ける立場じゃないのに。
泣きたいのはきっと青くんの方。
なのに…なんで涙がこんなにっ……。
溢れて溢れて止まらない涙は青くんの姿をぼやっとさせる。
私はどこまでもひどい人間だ。
「バイバイ、青くん…」
"青くん"
そう呼ぶのもこれで最後なんだ…。
大好きな名前。大好きな人。
大好きだった名前。大好きだった人。
大好きだったよ。
青くんでよかったよ。
好きになってくれてありがとう。
幸せだったよ。
バイバイ、青くん…。