いつだって、ヒーロー。

こ、こんなので友だちできるのかな…。


「お⁉︎なんだ、永倉同じクラス⁉︎」


えっ?

ビックリして顔をあげるとそこには浜野くん。
青くんの1番の友だち。


「あ、う、うんっ!」


「おー!よろしくな!」


よかった…。
男の子だけど喋れる人がいて。

浜野くんとは、青くんと付き合ってる時に喋ったことがあった。
だから本当によかった。

しかも私の後ろの席。

ガタガタと椅子をひいて座る浜野くんは、男の子のところに行くでもなく私に話しかけてきた。


「永倉って人見知りだっけ?」


きっと今の私の状況を見てそう思ったのかな…。


「うん…。何を話せばいいかわならなくて…」


「そっかそっか。ま、ゆっくりでいいんじゃね?慣れるまで俺がいるしさ?」


「ありがと」


青くんみたいに優しい。
青くん、いい友だちがいるんだなあ。


「大丈夫?」


「え?なにが?」


いきなり聞いてきた浜野くん。
私の頭にはハテナマークがいっぱい。


「青のこと」


"青のこと"


そりゃあ、青くんの1番の友だちだもん。
青くんから話くらい聞いてるよね?


「なんで〜?」


なるべく、何もないように聞き返す。


「ん〜?いや、だってあれから喋ってねえだろ?」


「あ〜…。うん…。ん〜…?そうなる…のかな…?」


『バイバイ』って言葉は喋ったってことになるのかな?

あれは入らないのかな?


「バイバイ…って終業式に言われたけど、あれはどうなのかな…」


「そっか。まあクラスも違うし気楽にいけばいいよ。俺は北原がいるし〜」


ちくっとする。

"クラスも違うし"

朝来ても青くんはいないんだ…。


でも。


もしかしたら、いい機会かもしれない。
青くんのことを気にしなくなる、いい機会かもしれない。




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