いつだって、ヒーロー。
女の子の鋭い目が私をとらえる。
怖い、って思った。
ねえ、これで謝らなかったら…。
そう思うと、言うしかなかった。
「ご、ごめんな…」
「そういうの、なしじゃね?」
私の言葉を遮って、そう誰かが言った。
その声は私のすぐ後ろから聞こえた。
「宮城くん……」
宮城 青くん。
同じクラスの男の子。
なんで……。
「何があったのか知らねえけど、四人で一人せめてんじゃねえよ」
私から見える宮城くんの横顔は冷たかった。
いつも教室で見る元気な顔じゃない。