いつだって、ヒーロー。


「お前何で言わなかったんだよ!」


後悔。
これが今の俺に1番ピッタリな言葉。


「タイミングなかったって。許して許して。謝罪としてこのお菓子食べてあげるから」


「勝手に食え!」


俺の部屋に置いてあるお菓子に手を伸ばす爽太。


お前、一発なぐるぞ?


「なんでいずが文化祭委員になったって言わねえんだよっ!!」


そう、俺はあの日いずが文化祭委員だって知った。
買い出しのあの日。

『身長高いから商品が高いところにあったら取れるから買い出しね!』

なんてクラスの文化祭委員に言われて仕方なく買い出しに行ったあの日。


普通文化祭委員が2人で行くもんだろ!って思ったけどついて行くことにした。


そしたら、いずがいた。
必死に手を伸ばして画用紙を取ろうとしているいずが目に入った。


考えるより前に体が動いていた。


チビなんだから。
届かねえんだから。
誰かに頼ればいいのに。

画用紙を渡しても目を合わせない。
この距離で目合わせねえってなかなかだろ?
気にしてんの丸出しだよ、バーカ。

画用紙取ってやったのはいいものの、話すことがない。
って考えてると、いずから俺は文化祭委員なのか聞いてきた。


ちげーよ。俺、文化祭委員じゃない。
代理だよ…。
でもいずが委員なら、やればよかったって後悔してる。


本気でめんどくせえって思ってた過去の自分、潰れてくれお願いだから。




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