いつだって、ヒーロー。


今思えば逃げてたのかもな。

振られたとか元カレだとかっていう勝手な言い訳して。


好きって気持ちは変わらねえのに。


何がそんなにいいんだ?

そう聞かれても答えは曖昧。


だけど俺はいずじゃねえと無理。

あの2ヶ月でどんだけいずにゾッコンなんだよ。


ただ、あの日泣いたいずを見て心を許してくれてるような気がした。


気持ち悪っ…って思うことだってあるし、元カレからグイグイこられても引くんじゃないかって。


それも全部逃げる理由。



『好きならいつまでもその場足踏みしてんなよ。そんなんで距離縮まんねーぞ?
ダサくてもかっこつかなくても足掻いてみろよ』



高1が終わる前に爽太に言われた言葉。


俺この言葉一生忘れねえぞ?


好きなら動かねえと。
今の関係がどうであれ、止まってちゃ意味ない。

前みたいに必死こいてやる。


「…けど、クラス離れたのはキツイわ〜」


これは俺にとって大ダメージ。
おれの隣でのん気にお菓子を食う爽太は同じクラスだし。

運なさすぎるぞ俺…。


「文化祭、断られたらどーすんだよ?」


「…は?そんなの後から考えりゃいいんだよ。当たって砕けろだろ?」


「砕けて帰ってくんなよ、俺がめんどくせー!」







俺、永倉泉を文化祭で一緒にまわるために誘います。








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