眠らぬ場所で会いましょう
目が合ったといっても、一瞬だった。




私が、すぐに視線を落としたから。





なぜ彼が振り返ったのか、さっぱり分からない。





私が怪しい客に見えたのか…






それから彼は、何事もなかったように従業員専用出入口に入って行った。





私も何事もなかったように買い物をし、店を出た。





だけど



何故だろう





それからずっと、胸の奥を何かに掴まれている感覚が、離れなかった。


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