強引社長の甘い罠
「つらいだろうけど、熱が上がりきってしまえば悪寒もなくなるだろうから、今は少しでも体を温めた方がいい」
「うん、ありがとう……」
素直にお礼を言うと、祥吾が笑った。
「なんだ、今日は随分しおらしいな。こんなに従順になるなら、たまには風邪を引いてもらうのも悪くはないな」
ニヤリと笑う彼に、私は唇を尖らせると彼を睨みつける。まったくもう。
でも、仮にも社長の祥吾が、こんな平日の真昼間から、こんなところで油を売っている時間などないはずだ。第一、今はオートオークションの仕事もあって忙しいはず。私は急に不安になった。私の自己管理が出来ていなかったせいで、彼にもとても迷惑をかけてしまっている。
「あの、祥吾……」
おずおずと話しかけた。
「うん?」
祥吾が微笑んだ。
今日の祥吾はとてもフレンドリーだ。そして私にとても優しい。いったいどうしちゃったというの?
「迷惑をかけてしまって……本当にごめんなさい。でも、あの、ありがとう。病院には行くつもりだったけど、こうして連れてきてもらえて本当に助かったの」
「ああ」
「だけど、忙しいんでしょ? ここでこうして横になって待たせてもらえるし、後はもう私一人で……」
「いや、だめだ」
私の言葉に被せるようにして、祥吾がキッパリと言った。一つ、溜息をつく。
「うん、ありがとう……」
素直にお礼を言うと、祥吾が笑った。
「なんだ、今日は随分しおらしいな。こんなに従順になるなら、たまには風邪を引いてもらうのも悪くはないな」
ニヤリと笑う彼に、私は唇を尖らせると彼を睨みつける。まったくもう。
でも、仮にも社長の祥吾が、こんな平日の真昼間から、こんなところで油を売っている時間などないはずだ。第一、今はオートオークションの仕事もあって忙しいはず。私は急に不安になった。私の自己管理が出来ていなかったせいで、彼にもとても迷惑をかけてしまっている。
「あの、祥吾……」
おずおずと話しかけた。
「うん?」
祥吾が微笑んだ。
今日の祥吾はとてもフレンドリーだ。そして私にとても優しい。いったいどうしちゃったというの?
「迷惑をかけてしまって……本当にごめんなさい。でも、あの、ありがとう。病院には行くつもりだったけど、こうして連れてきてもらえて本当に助かったの」
「ああ」
「だけど、忙しいんでしょ? ここでこうして横になって待たせてもらえるし、後はもう私一人で……」
「いや、だめだ」
私の言葉に被せるようにして、祥吾がキッパリと言った。一つ、溜息をつく。