強引社長の甘い罠
良平は納得していないようだった。けれどそれ以上追求されることはなかった。私はホッと胸を撫で下ろした。だって、追求されたって、私自身が分からないのだから今の理由以外に答えようがない。
通話口の向こうで、良平の溜息が聞こえた。
『とりあえず、心配なさそうだってことは分かったよ。言いたいことは山ほどあるけど……今日はゆっくり休んで、また元気になったら連絡くれ。あっちに戻る前にまた飯でも行こう』
「うん。ありがとう」
『じゃあ、またな。ちゃんと治せよ?』
「うん、分かってる。またね」
電話を切ってから、私はもう一度大きな溜息をついた。なんだか疲れた。祥吾は戻って来ない。
スマホをベッド脇のテーブルに置くと、私はまた祥吾のベッドに潜り込んだ。洗濯したてのいい香りに混じって祥吾の匂いもする。
彼の行動は不可解だ。冷たいと思ったら急に優しくなったり、意地悪になったり。かと思えば熱を帯びた瞳で見つめてくることもある。いったい彼は何がしたいの? 元気になったら今度こそそれを問い詰めてみよう。
再び痛み始めた頭を押さえながら、私はもう一度目を閉じた。ベッドはとても寝心地が良く、洗濯洗剤と祥吾の匂いがするシーツはすぐに私を心地良い眠りに誘った。
通話口の向こうで、良平の溜息が聞こえた。
『とりあえず、心配なさそうだってことは分かったよ。言いたいことは山ほどあるけど……今日はゆっくり休んで、また元気になったら連絡くれ。あっちに戻る前にまた飯でも行こう』
「うん。ありがとう」
『じゃあ、またな。ちゃんと治せよ?』
「うん、分かってる。またね」
電話を切ってから、私はもう一度大きな溜息をついた。なんだか疲れた。祥吾は戻って来ない。
スマホをベッド脇のテーブルに置くと、私はまた祥吾のベッドに潜り込んだ。洗濯したてのいい香りに混じって祥吾の匂いもする。
彼の行動は不可解だ。冷たいと思ったら急に優しくなったり、意地悪になったり。かと思えば熱を帯びた瞳で見つめてくることもある。いったい彼は何がしたいの? 元気になったら今度こそそれを問い詰めてみよう。
再び痛み始めた頭を押さえながら、私はもう一度目を閉じた。ベッドはとても寝心地が良く、洗濯洗剤と祥吾の匂いがするシーツはすぐに私を心地良い眠りに誘った。