強引社長の甘い罠
 マウスに手を添えたまま、ピクリとも動かせなくなった。呆然と画面を見つめる。この写真を掲載するの? インターネット上に? うわぁ、すごく恥ずかしい!
 私が真っ赤な顔でディスプレイを凝視していると、人の気配がしたと同時に背後で声が上がった。

「あら、いいじゃない」

 ハッとして振り返ると微笑んだ鈴木課長が立っていた。ディスプレイに表示された私の写真を見て、満足そうに頷いている。

「七海さんにお願いしてよかったわ。すごくいい感じ。サイトだけじゃなくてこれを使って紙媒体も変更できるといいわね」

 鈴木課長の言葉に、私はぎょっとして目を見開いてしまった。インターネットだけでなくパンフレットにも載っちゃうの? きっと露骨に嫌そうな顔をしてしまったのだろう。課長の眉が上がった。

「どうしたの? 仕上がりが気に入らなかった?」

「いえ……。そうではなくて……」

 私が言いよどむと、課長が首を傾げて先を促した。仕方がないので少しためらった後で言った。
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