約束という名の鍵


「そう。じゃあよろしくね」


楓はそう言って握った手を軽く握りかえしてきた。


――キーンコーンカーンコーン


そこで丁度、昼休みの終了を告げるチャイムがなった。


「それじゃあ。あ、そうだ、私のことは楓でいいわ」


楓はそう言って自分の席に戻っていった。


「楓ね……」


時雨は少しの間、握っていた手を見つめていた。

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