約束という名の鍵
「もん、じゃねぇよ! 可愛くねぇぞ。あー、話が脱線した。
それで、付き合ってんのかよ」
光はブスッとした声で聞いてきた。
そろそろ光の反応を堪能したので、真面目に答えてやる。
「いんや、付き合ってないよ」
「本当か!?」
途端に光の表情が明るく輝く。
「何、楓のこと好きなのか?」
「いや、違うぞ。ただ俺より先にお前に彼女ができるのが嫌なだけだ」
光は真顔でそう言った。
「最低だな」
時雨は呆れた様にそう言った。
「ハハハッ」
その後も担任が来るまで光と馬鹿な話をしていた。